ディレ検

ミスが発覚した時のリカバリー

この章のねらい:サイト障害やミス発覚時に、事実確認・影響範囲の見立て・一次報告・復旧手配を落ち着いて実行し、トラブル対応を通じて信頼を守れる。

隠さない・すぐ言う

第6章で「悪い知らせほど早く・結論から」の型を学びました。ここでは、その型を一番言い出しにくい場面——自分のミス——に適用します。骨子は同じです。違うのは、求められるスピードと、謝罪より復旧を先に置く優先順位です。

自分のミス(公開漏れ、誤った内容の公開、指示の誤りによる事故)に気づいたとき、最初の分かれ道は「すぐ言うか、隠すか」です。答えは常に「すぐ言う」一択です。

隠したくなる心理は自然なものです。しかしWebの仕事では、ミスはログ・履歴・公開された画面という形で必ず痕跡が残ります。後から発覚したとき、問われるのはミスそのものではなく「なぜ黙っていたのか」です。ミスは謝れば済みますが、隠蔽は信頼の根本を壊します。

現場の失敗談

誤った価格を掲載してしまったことに気づいたディレクターが、報告せずにこっそり修正して済ませたことがありました。数週間後、誤価格の期間に注文したお客様からの問い合わせでクライアントが事実を知り、「ミスより、黙っていたことが問題だ」と契約解除に至りました。すぐ報告していれば、誤価格で注文したお客様への対応をクライアントと相談でき、傷は最小で済んだはずです。

「分かっていても、言えない」へ

すぐ言うべきだと、頭では分かっている。それでも言えない——その感覚を、まず認めるところから始めます。

ミスに気づいた瞬間、心臓がドクッとして、頭の中で「どうしよう」が回り始める。チャット欄を開いては閉じる。「今言ったら怒られる」「失望されたくない」「もしかしたら、誰も気づかないかもしれない」。気づけば30分、何も手につかないまま過ぎている——。

もしあなたがそうなるタイプなら、知っておいてください。**それは意志が弱いのでも、この仕事に向いていないのでもありません。**怒られたくない、がっかりされたくないという気持ちは、仕事に真面目に向き合っている人ほど強く出る、普通の心の動きです。いま平気な顔で報告しているベテランたちも、最初の頃は同じように送信ボタンの前で固まっていました。

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