ディレ検

現状調査と影響範囲の見立て

この章のねらい:曖昧な修正依頼に対して適切な確認質問を組み立て、現状調査で影響範囲を見立てたうえで、認識のズレがない状態まで要件を具体化できる。

依頼を聞いたら、まず現物を見る

ヒアリングと並行して必ずやるべきなのが現状調査です。修正対象のページを自分の目で開いて確認する——当たり前のようで、これを省くディレクターは少なくありません。クライアントの説明だけを頼りに進めると、「言われた箇所が実際には存在しない」「同じ内容が別の場所にもある」といった見落としが起きます。

最低限の現状調査チェック

  • 対象ページを実際に開き、依頼された箇所が説明どおりに存在するか確認する
  • スクリーンショットを撮って手元に残す(修正前の状態=Beforeの証跡になる)
  • スマホでも表示して、同じ箇所がどう見えるか確認する

影響範囲を見立てる3つの問い

修正箇所を確認したら、次の3つを自問します。

1. そのテキスト(情報)は他のページにもないか

住所・電話番号・料金・営業時間などの基本情報は、会社概要のほかにフッター、アクセスページ、特定商取引法のページ、問い合わせ完了画面など複数の場所に重複して存在するのが普通です。サイト内検索や検索エンジンのsite:検索で旧情報を探し、洗い出してから見積・指示に進みます。site:検索とは、検索窓に「site:example.co.jp 03-1234-5678」のように打つ方法で、そのサイトの中で旧電話番号が載っているページだけを一覧できます。

現場の失敗談

「会社概要の住所を新しくして」という依頼どおり会社概要ページだけ修正して納品したところ、全ページ共通のフッターに旧住所が残っていました。クライアントより先にそのお客様が気づき、「直したと言ったのに」と信頼を落としました。依頼は「会社概要の住所」でも、**クライアントの本当の要望は「サイト上の旧住所をなくすこと」**です。

2. 共通パーツか、個別ページか

ヘッダー・フッター・サイドバーなどの共通パーツは、1箇所直せば全ページに反映される反面、1箇所壊せば全ページが壊れます。修正箇所が共通パーツなのか、そのページだけの個別要素なのかで、作業の影響範囲も検収の範囲も変わります。

3. CMSで管理されている箇所か、直書きか

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